脂漏性皮膚炎は、多くの人になるごくありふれた皮膚病で、原因ならびに治療法も確立されているものの、完全治癒の難し病気で長期にわたって症状を抑える「コントロール」していく疾患である。
そもそも脂漏性皮膚炎とは一体なんなんだ?
皮脂腺が多く皮脂の分泌の多い頭皮や顔(特に鼻の周りなど)に起こりやすい他、耳の後ろ、摩擦の多いわきの下や太ももの付け根などにも起こります。かゆみをともない、赤くなったり、皮膚が荒れてカサつき、ベラベラとはがれてくる場合もあります。頭にできた場合、皮膚がはがれてくるためフケ症と勘違いしてしまう方も多いようです。
引用:ヘルスケア大学
実際に画像検索してみたらわかるが、けっこうひどい症状になると目も当てられない。
ちなみに「脂漏性湿疹」という似た言葉もあるが、脂漏性皮膚炎のことを言う。
脂漏性皮膚炎になる原因は?
最も的確な説明がwikipediaにあるので引用すると
中性脂肪の一種であるトリアシルグリセロールが表皮常在菌のマラセチア属真菌[4][5]のリパーゼにより分解されて刺激性の遊離脂肪酸になり[6]、炎症を生じたり症状の悪化に関与している
引用:wikipedia
意味不明な言葉が並んでいるが、わかりやすくまとめると、脂ぎった頭にマラセチアは群がり、それ分解するときフケが出て痒さを発生させる。もう少し簡単な説明がこちら。
中心にあるのがマラセチアという真菌(カビ) の存在です。マラセチアはヒトの皮膚に普段から存在する常在菌ですが、皮脂を好み、皮脂が多い環境下で異常増殖すると、その代謝物が肌に炎症を引き起こす。
引用:ヘルスケア大学
脂漏性皮膚炎の人は「マラセチア」が増殖している。そのマラセチアが増殖するきっかけなどは
- 脂漏体質
- ビタミンB2不足
- (HIVなど)免疫低下により真菌の増殖抑制が出来なくなるため
- アルコール依存
- ストレス
- 糖尿病
- 肝疾患
- 肥満
とのこと。ちなみに俺は思い当たることが3つもある。。。。
脂漏性皮膚炎の治療法
多くの皮膚科医さんのサイトにかかれているように
- ちゃんとした食生活(ビタミンB2)
- ストレスを抱えない規則的な生活
- 炎症を抑える外用治療
を行うことで炎症をコントロール(抑えて)いく。皮膚科における治療法としては
- 外用ステロイド剤
- ケトコナゾール外用剤
をメインとする。欧米ではステロイドの外用は使用期間が長期になることから推奨されていないようで、その代わりにケトコナゾールのに関する様々な商材(ジェルやシャンプーなど)が販売されていてそれが治療の主軸となっている。
どれくらいの人がなる病気なのか?
周りでは、友達のボブ(頭と顔と脇)と、Y川くん(おでこと膝裏)、俺(頭とおでこ)と、結構少ない。と思っていたが、なんのかなり実際は多い。信州大学の報告では3.28%、1970年代のアメリカでの調査では2.9%(臨床的に問題にならない軽度なものを加えると11.7%に達する)、最近ギリシャで行われた調査では4.1%と、多少の差異はあるが3〜4%の人たちにみられるようだ。
新生児では出産直後の3ヶ月の間の有病率は70%と非常に高く、1歳で7.5%、3歳で0.9%と減っていく。
男女比では、男性の方が有病率は高く、1.5倍前後多い調査が結果が出ている。
年齢では男性の26〜30歳が7.7%、女性の51〜55歳が4.5%にピークが見られる。
実際に、フケが多く出ていて頭をしつこく掻いている人や、アトピーでもないのに顔の一部が赤く痒そうになっている人は脂漏性皮膚炎の可能性は高い。満員電車の同じ車両に二人以上は確かにいると思う。
脂漏性皮膚炎が発症する部位と症状
脂漏性皮膚炎は成人の場合、頭部、顔面、首周り、前胸部、上背部、ワキの下、足の付け根など、皮脂腺が多く皮脂の分泌が多い箇所に痒みを伴って出来やすい。
発症部位別では
- 頭部のみ:38%
- 頭部と顔面:30%
- 顔面のみ:21%
となっており、脂漏性皮膚炎の半数以上は顔面に症状がでている。顔以外の場合は、別の皮膚炎の可能性も考えられるため、診断が難しい。
症状としては、かゆみをともない、赤くなったり、皮膚が荒れてカサつき、ベラベラとはがれてくる。放置すると加齢臭のような匂いを出すこともある。
脂漏性皮膚炎と間違いやすい疾患
脂漏性皮膚炎はマスコミなどにも多々取り上げられる疾患で市民権を得つつあり認知度も比較的に高まってきたが、似た症状に皮膚疾患があるために、注意が必要だ。以下は間違いやすい疾患である
- アトピー性皮膚炎
- 接触性皮膚炎
- 尋常性乾癬
- 酒さ様皮膚炎
- 毛包虫性座瘡
- 白癬症、カンジダ症状
- 膠原病